ルーペにハマる


奥入瀬渓流へ。去年の秋、行こうと思い『奥入瀬渓流ホテル』を予約したが、送迎バスが満員でキャンセル。紅葉より新緑ってことで5月の最終週にした。八戸から送迎バスに乗り、ホテルに到着。部屋へ案内される時、「部屋をグレードアップさせて頂きました」と言われた。申し込む時、ちょっとイイ部屋にしたからかと思っていたが違った。部屋に通され、「渓流沿いのお部屋をご用意しました」と、カーテンを開ける。新緑の向こうに奥入瀬渓流が見える。渓流沿いの部屋は、申し込んだ部屋より、もうワンランク上だ。ラッキー!


お茶を飲み、ひと休みしてから、ホテル内を探索。岡本太郎の芸術作品やお庭を見て周る。夕食後、『森の学校』に参加。ツアーガイドさんが、先生になって、奥入瀬渓流について教えてくれる。明日の『奥入瀬ガイドウォーク』の予習だ。「メモ用紙を置いてあるので、宜しければお使いください」とガイドさん。授業が始まり、真剣に先生の話を聞いていると、妻がメモを取り出した。「そこ、テストに出るよ」とチャカを入れる。奥入瀬渓流の成り立ち、どんな野鳥がいるかなんかをお教えてくれた。気になったのは、『ミソサザイ』って鳥。鳴き声を聞かせてくれて、小さい体なのに、声量バツグン。しかも、美声。「木の枝の先など、わかり易いところに止まって、鳴いているので、見つけ易いです」とのこと。明日、見られたらいいなあ。最後に、「近くの駐車場にいくと、星が良く見えます。興味ある方は、詳しい場所をお教えします」ってことなんで、聞いてきた。早速、星空観察へ。月が明るくて、思ったより見られなかった。でも、七つ星の北斗七星が見られたから、良しとしよう。地元では北斗五星だもんね。

翌朝、目覚めると、イイ天気。朝ご飯をしっかり食べる。一番、気に入ったのは、りんごのパンケーキ。2つ食べちゃった。この旅のメインイベント『奥入瀬ガイドウォーク』へ出発。石ヶ土〜雲井の滝まで歩く。早速、ミソサザイの鳴き声が聞こえる。でも、姿は見えない。川のせせらぎ、鳥の鳴き声を聞きながら、緑萌ゆる渓流沿いを歩く。「あそこにキセキレイがいます」と、ガイドさんが、双眼鏡を貸してくれた。かわいい黄色い鳥がよ〜く見える。ミソサザイの鳴き声。ガイドさんが、「あそこにミソサザイがいます」と教えてくれた。双眼鏡を覗くと、尾っぽでバランスを取りながら、口を大きく開いて鳴いている。とってもカワイイ。ちょっと歩くと、また、ミソサザイの鳴き声。目を凝らすと、枝の先にちっちゃな茶色いものが乗っかってる。「ミソサザイです」と、ガイドさん。またまた、ミソサザイとご対面。その後、カワガラスキセキレイのコラボにも出会い、「今日は、仕込んだかのように鳥が見られますね」と、ガイドさん。

鳥の次は、苔。ルーペで、苔を観察する。『苔さんぽ』ってツアーもあって、参加したかったけど、日程的に無理なんで断念した。苔観察できる様に、部屋にルーペが置いてあって、苔観察してみようと、ポケットに忍ばせていた。苔観察の時間を設けてくれて良かった。ルーペを使って、スマホで拡大写真を撮るワザも教えてくれた。霧吹きで潤いを与えると、苔がイキイキする。ちょっとハマりそう。ふと横を見ると、妻が一生懸命、苔を観察していた。どハマりしたようだ。「そろそろ先へ進みましょう」と、ガイドさん。苔観察してると、全然、進まなくなるそうで、「苔さんぽ」では、数百メートルしか進まないそうだ。しばらくすると、雨がポツポツ。森にとっては、恵みの雨。苔も喜んでいるだろう。ゴールの雲井の滝に到着。すると妻は、「滝があるから、湿ってて苔がイキイキしてるよ」と、滝をよそにルーペで苔観察。「滝も見ずに苔観察。素晴らしい!」と、ガイドさん。ここまでハマるとは…ルーペ買うか?「送迎バスが、到着しました。帰りましょう」と言われるまで、熱心に苔観察。後ろ髪を引かれつつ、ツアー終了。とーっても楽しかった。


ホテルに戻り、お昼ご飯を食べにレストランへ。『苔ランチプレート』を注文。苔を模した料理が楽しめる。ナント!ルーペも用意される。「部屋から持って来たルーペ出す?」と、冗談混じりで話していると、料理が運ばれてきた。「オリーブオイルをかけて、ルーペでご覧ください」と、お姉さん。苔に潤いを与えるってことか。目と舌で味わう。外は大雨。こんなになる前に、ツアーが終わって良かった。ご飯の後は、雨が止んだので、ちょっと離れたトコにある露天風呂『八重九重の湯』へ。昼は混浴で、湯浴み着で入る。バスの中には、二人っきり。時間が早いから、こうなるんじゃないかと期待していた。誰も乗って来ること無く、出発。やったあー!露天風呂貸し切りだあ!湯浴み着に着替えて、『九重の瀧』を眺めながら、露天風呂を堪能。そろそろ帰りのバスがやってくる。着替えて脱衣場を出ると、2便の人がやって来た。入れ替わりでバスに乗り、ホテルに戻る。晩ご飯を食べに夕食会場の『青森りんごキッチン』へ。席に着くと「2泊目のお客様には、支配人から、ボタンエビとウニ、デザートにイチゴをご用意します」とお姉さん。昨日、他の人のトコに運ばれてきてたのは、これだったのか。一品料理をオーダーしたのかと思ってた。昨日に引き続き、た〜くさん食べる。アップルパイが気に入って、ふたつ食べ、今日もお腹いっぱい。

最終日。朝ご飯を食べに『青森りんごキッチン』四度目。さすがに食べ過ぎなんで、ちょっと抑えめに。でも、りんごのパンケーキは、しっかり食べる。腹ごなしにお散歩へ。とーってもイイ天気。青い空、白い雲、緑の木々。透き通った川の流れ。気持ちイイネ。部屋から持って来たルーペを妻に差し出す。苔や花を見て、アリを見ようとして、逃げられる。やっぱり、ルーペは必要のようだ。自分は、双眼鏡が欲しいな。